私は2月から教習所に入って車の運転を学んでいた。
入学から約1ヶ月が経過した3月3日に、一般の道路に出るための仮免許を取得すべく検定に挑んだ。
検定では技能試験と筆記試験の2つがあるため徹底的に勉強した。前日も深夜を回るくらいまで教科書を読み込み頭に叩き込んだはずであった。
こうして当日を迎えた
技能もシュミレーションバッチリ。
試験番号は3番。
技能試験時、私は4番の女性の方と同乗し教官を含めた3人で車に乗り試験が開始された。
先行は私。
乗車前の確認も完璧。
発進までの手順も問題なく進めた。
私「お願いします!」
教官「はい。」
車は動き出した。エンストもしなかったため少しだけ安心した。
教官「まずは外周を1周します。」
私「はい!」
ギアチェンジもスムーズにできた。
教官「最初に1番の交差点を右に行きます」
私「はい!」
安全確認、巻き込み確認もできた。
軌道も悪くはなかったと思う。
教官「次にこの先の交差点をひだr」
『ゴォォォォォォォン』
聞いたこともないような音が車内に響いた。
私「!?!?!?」
静かな時間が4秒ほど流れた。
教官「検定を終わります。元の場所に戻ってください」
私「!?!?!?」
教官「トラックを止める用のポールにミラーが当たりました。」
私「???」
教官「これは交通事故のため即中止です。」
教官「多分歴代最速ですね」
私と教官は揃って笑顔を見合わせた。
それは試験開始から約2分後の事であった。