茶封筒のお話

私が高校2年生の冬に体験したお話。

 

当時私は陸上競技部だった。

陸上競技部の冬というのはマラソンや駅伝と言った長距離種目以外の試合は基本的には無いため、夏に向けた練習となる。

その練習というのが短距離ならば乳酸に耐えられるようにしたりスタミナをつけたりするため夏の時期に比べて走る量が多くなる。

それに伴い部活の終わる時刻も遅くなる。

 

その日も比較的遅い時間の解散となった。

8時過ぎくらいだったと思う。

 

電車通学だったのでその日も自転車で駅まで向かうと次の電車まで30分ちょい時間があった。

(香川の田舎駅が最寄りなので1時間に1〜2本しか通っていない)

 

で…その駅が…

なんて言うんすかね…

駅とスーパーが合体してるみたいな駅で…

駅とスーパーが同じ建物内にあるため、いちいち外に出ずとも駅からスーパーに直接行けたりスーパーから駅に直接行けたりと行ったり来たりできる感じであった。

 

その日は30分くらい時間があったのもあってスーパーでおにぎりを補食として買う事にした。

 

おにぎりを手にしてレジに並びに行くと目の前にお婆ちゃんが並んでいた。

 

そして当時がコロナの第何波〜とかの時期でお会計の時も店員さんと直接お金のやり取りをせずに機械を通して行うシステムであった。

そしたらお婆さんがその機械を使った精算に慣れてないみたいで困っていたため私が教えながら精算を進めていった。

 

やがて2人ともお会計が終わるとお婆さんはすごくお礼を言ってくれた。

「ありがとうねぇ、ありがとねぇお兄さん」

と。

良い気分だった。

 

そしたらそのお婆さんが

「お礼にこれあげたるわぁ」

 

みたいな感じで背負ってた大きめの巾着?みたいな鞄から茶封筒を私に渡してきた。

 

受け取ったが持った感覚は何も入っていない。

ただ耳元で振ると紙が入ってるような小さな音がした。

そのため

「1000円札とかのお小遣い?なんかなぁ」

と思い込んでいた。

 

「ありがとうございます~」

とお礼だけ済ませてとりあえず解散。

 

家に帰ってリュックを開くと例の茶封筒があり、部屋で1人。開けてみた。

 

そしたらその中から大学ノートを雑に破ったみたいな紙の切れ端が出てきた。

 

 

そこに明らかに人が鉛筆で書いたような濃い筆圧で

 

 

 

私の家の住所のみが書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今でも思い出す度に怖くなる少しだけ気味が悪い話。