こんばんは。Imbocdです。
私の初編集の作品である「生徒Aの理想」もうご覧頂けましたでしょうか?
先日、通学時に使う電車の中で立ちながら読書をしていたんですがそこでふと考えたんです。
ペン回しのCVでも1つの作品の中に物語を作れるんじゃないかと。
読んでいたのは「気まぐれロボット」という短編小説集なのですがこんな短いお話達でも読みたくなるんですから、CVでも同じような魅力を生み出せるんじゃないかと。
こういう経緯で、本作は
「CVと物語の融合」のような作品に仕上げてみました。この際、2つが完全な別物にならないよう、ちょっとした工夫も施しました。ここではそれについて編集者、著者である私Imbocdが解説してまいります。
ので
「まだ見てない!」
「見たけど自分の力でもっと探りたい!」
という方はこの記事を読むのはここまでにするのをオススメします。
以下の2つを重点的に解説します。
1.審査、演出等CVについて。
2.CVと物語の関係、ストーリーなど。
1.審査、演出等のCVについて
本作はハヤシダ様の「penguins deuter」という曲のoff vocalバージョンを使用させて頂きました。
ありがたい事に想定していた枠数より多くの提出者様からご参加いただき、審査をさせて頂きました。
どれも素敵で個性ある素晴らしいものばかりで苦悩を虐げられました。
審査って意外と大変なんですね。(汗)
ポイントとしては私の好みやセンスがどうしても影響してしまうのでその偏りをなくすために概要で書いた
「早めよりゆっくりとした回し」
をなさってくれた方が優勢であったと思います。
その他は
・環境が整っている(足、派手な部屋、机の装飾などペン回しより気を引いてしまうようなものが写り込んでいない)
・フレームアウトをしていない。
・つっかかりがない。
など全体的な評価やCVでの相性も同時に考慮し審査をしました。
募集前からあらかじめ制作するCVのなんとなくの雰囲気は決めていたのでそれにあった演出やテキストで編集しました。
ゲストはcynthia様に声をかけさせていただきました。
本作を作ろうと決めた時からcynthia様の独特な回しや彼にしか出せないアラウンド系統の個性は本作にぴったりだ!
と思っていたからです。
提出して頂いたオーダーも素晴らしいものでラスト演出のみならずとても編集が楽しかったです。
2.CVと物語の関係、ストーリーなど。
概要欄を用いて書いた物語は
「いじめにあっていた少年が保健室の養護教諭の先生に支えられ自分の考えや行動を改めて人生を見返す。
それは彼にとってどのようなものだったのか…」
というストーリーに仕上げました。
まぁ「なんかすごいなぁ」とくらいに思っててください。
しかしCV本編でもこの物語と繋がる伏線?的なのをいくつか張っているのでそれをいくつかだけ紹介していきます。
1.CV本編より、Editorが『??』である理由
本作冒頭、口笛のタイミングでこの画面が一瞬移ります。そこには
Editorが???となっています。
そんなんImbocdお前だろと思っていてもまぁ聞いてください。
この画面をよく見ると???を覆うカッコが『』であることに注目してください。
本作では字幕演出を多々使いましたがもう一箇所この『』が使われたところがあります。
そのもう一箇所というのが冒頭のココとは真逆の本作終盤です。
終盤での字幕に注目すると、
僕は…ぼくどうなるんだろう…
僕は…ぼくどうな…
『僕は…ぼく…ど…』
で字幕は終わっています。
一番最後の字幕も『』で覆いました。
じゃぁこの2箇所が『』で何かあるのか!?
という問題です。
ここで概要欄での物語に移ります。一番最初です。
物語は英語教師の
「それでは『』の中の日本語を英語にしてみましょう」
で始まっています。
はい。『???』はそのままにラストの方を英語にしてみます。
『僕は…ぼく…ど…』
『I am …boc…d』
『I'm…boc…d』
『Imbocd』
少し無理があるかもしれませんが私の名前になります。
これは冒頭の
Editor『???』に
Editor『Imbocd』があてはまる訳です。
2.概要欄での物語より、彼が読んでいた図鑑
物語の中で主人公の「彼」が図書室から借りた動物の図鑑を保健室で読んでいたら女先生が彼の前に座り彼に人的教育をするシーンがありましたね。
そこでの女先生のセリフの要約です。
「ウサギもゾウもキリンも良さがでるのはそれぞれのほんの一瞬。
もとをたどると皆同じ生物だから優劣はない。イジメがおきるのはおかしいと気づけ」
というものです。ここでの
「ウサギもゾウもキリンも」
のセリフに注目してください。CVを脳内再生して何か思い当たる箇所はありましたか?
CV本編の前半、出演者のTai様からEnce様に移る一瞬にその答えがあります。
画面右下に小さく文がありますね。
この文を女先生のあのセリフと照らし合わせます。
「彼は耳が長いだけ」→「ウサギ」
「彼は鼻が長いだけ」→「ゾウ」
「彼は首が長いだけ」→「キリン」
の3種の動物を表しています。
さらにこの画面が映るのは本編ではほんの一瞬であったため
「ウサギもゾウもキリンも良さがでるのはほんの一瞬」
というセリフの表しであるのです。
3.物語での語り手の1フレーズの表現。
物語での一コマ、
主人公が女先生から教えを受け、その後の彼について描かれたシーンの要約です。
「その日から彼には今までの同じ景色でも少し違って見えた。
暗かったところが何か明るく見えている」
というところです。ここの
「同じ景色、暗かったところが心なしか明るく見えている」
の表現に注目し、
CV本編に移ります。
出演者、Ence様からAntumn様に移るシーンの実写映像で
この電車のシーンと
本編後半のcynthia様のすぐあとのシーン
「何かが違う気がする…」
の時のこの映像…
そうです。
比べたら分かりますが時間帯が違うだけで同じ場所で同じアングルで撮っています。
これは物語での
「同じ景色、暗かったところが心なしか明るく見えている」
の表現を示しています。
4.物語より、主人公の自決方法
物語での
「当時の彼は自決を考えるくらいに追い込まれていた
そこから身を投げようとしたが水にゴボゴボと溺れたり、貨物列車にグチャグチャにされる事もなかった」
というところ。
CV本編での字幕シーンの2つ。
と
の2つ。
そこらは彼が身を投げようとした橋や駅なのかもしれません。
「今日もいけなかった。今日も。」
というのは
「逝けなかった」
という飛び降りる強さがない自分を憎んでいる事を意味しているのかもしれませんね。
5.タイトル「生徒Aの理想」の意味
ここまで聞くとCVのタイトルというよりかは物語のタイトルのように思えます。
ここでは「対比」について注目してほしいです。
そこは物語の一番ラスト。
今、成長して楽しく暮らしている「彼」が昔女先生と一瞬に遊んでいた公園を訪れたシーンでの後、
物語一番ラストで
「私の現実」
で終わっていますね。
「生徒Aの理想」
と
「私の現実」
第三者視点からの理想と
第一者視点からの現実。
両方が対比関係になっています。
このように物語とCV本編で繋がりのある関連部分を他にもいくつか張っております。
どこにあるか探しながら楽しむのもいいかもしれませんね。
最後に
「この物語はImbocdの実体験?」
という質問がDM等でいくつか来ておりました。
あなたの想像にお任せします。
理由としては今、それを答える必要がないからです。
もし本当だったとしても私はそんな過去を皆さんに知ってほしいわけでなく、CV本編やCVと物語の相性関係を楽しんでほしいのです。
まぁまた機会あれば。